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東京地方裁判所 昭和49年(特わ)118号 判決

被告人

1.本店所在地

東京都板橋区栄町三番三号

株式会社山下商行

右代表者代表取締役

山下房蔵

2.本籍

東京都板橋区栄町三番地

住居

東京都板橋区栄町一番九号

職業

会社役員

山下房蔵

明治三二年一二月二六日生

出席検察官検事

米沢慶治

主文

被告会社株式会社山下商行を罰金九百万円に、被告人山下房蔵を懲役五月にそれぞれ処する。

被告人山下房蔵に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となる事実)

被告会社は、東京都板橋区栄町三番三号に本店を置き、電気工事材料の販売等を営業目的とする資本金一、〇〇〇万円の株式会社であり、被告人は、右会社の代表取締役として同会社の業務全般を統轄していたものであるが、被告人は被告会社の業務に関し法人税を免れるため、売上金の一部を除外預金とするなどの方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和四五年一月二一日から同四六年一月二〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が八二、〇九九、二三九円あつたのにかかわらず、昭和四六年三月二〇日東京都板橋区板橋一丁目四四番六号所在の所轄板橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二六、九二六、六三七円でこれに対する法人税額が九、四一四、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額二九、六八三、〇〇〇円と右申告税額との差額二〇、二六九、〇〇〇円を免れ(別紙一及び三)

第二  昭和四六年一月二一日から同四七年一月二〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が七四、二七五、四八五円あつたのにかかわらず、昭和四七年三月二一日前記板橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二三、四二四、六五一円でこれに対する法人税額が八、一二〇、九〇〇である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額二六、八〇〇、〇〇〇円と右申告税額との差額一八、六七九、一〇〇円を免れ(別紙二及び三)たものである。

(証拠の標目)

判示事実全般につき

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の検察官に対する供述調書二通

一、被告会社の会社登記簿謄本

科目別増差関係につき

一、収税官吏佐藤文作作成の仮名普通預金調査書(普通領金)

一、収税官吏清宮武雄作成の定期預金調査書(定期預金)

一、同じく通知預金調査書(通知預金)

一、同じく個人収支計算書(社長貸付金)

一、山下哲也の収税官吏に対する昭和四七年一〇月五日付質問てん末書(棚卸商品)

一、被告会社代表者名義の昭和四八年 月 日付(東京国税局五月四日付文書収受印のあるもの)の上申書(棚卸商品)

一、被告会社代表者名義の昭和四八年六月二二日付上申書(社長借入金)

一、収税官吏清宮武雄作成の未納事業税計算書(未納事業税)

一、板橋税務署長作成の証明書(価格変動準備金)

一、被告会社代表者名義の作成日付のない(東京国税局昭和四八年六月四日付文書収受印のあるもの)上申書(過納事業税)

公表申告分及びその他につき

一、押収してある次の証拠物

1、総勘定元帳(昭和四九年押一一五二号の1、 2)

2、確定申告書(同押号の7、 8)

(法令の適用)

被告会社につき

法人税法一五九条、一六四条一項、刑法四五条前段、四八条二項。

被告人につき

法人税法一五九条(いずれも懲役刑選択)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(第一の罪の刑に加重)、二五条一項。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 中村勲)

別紙一 修正貸借対照表

株式会社 山下商行 昭和46年1月20日

〈省略〉

〈省略〉

別紙二 修正貸借対照表

株式会社 山下商行 昭和47年1月20日

〈省略〉

〈省略〉

〈省略〉

別紙三 税額の計算

〈省略〉

〈省略〉

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